「母の愛は死よりも強い」

アクリル画/2026
410㎜×318㎜ キャンバス
¥77,000(税込)
Hitomi Takai

小泉八雲『怪談』                                        

「水飴を買う女」から生まれた作品

死を超えても、なお、決して手放されなかった母の愛。

通常の怪談では、幽霊っておどろおどろしい外見で描かれるけれど、

私は、彼女深い想いの美しさを、一輪の花として描かせていただきました。

【物語あらすじ】

亡くなったはずの女性が、夜ごと水飴を買いに現れる。

毎晩一文銭を手にして、それは六日間続いた。

不審に思った店主と寺の僧が後を追うと、女性は墓の中から現れていた。

幼子を育てるために、彼女は水飴を求め続けていたのだ。

墓を掘り起こすと、そこには女性の亡骸と、まだ温もりの残る赤子が眠っていたという。

―――――

六文銭って、本来、

「自らがあの世へ渡るための、たった一度きりの通行料」。

それを迷いなく差し出した、女性の幽霊。

自分の行き先など顧みず、ただただ、我が子を生かすためだけに選んだ行動。

「自己犠牲」という言葉だけではとても言い尽くせない、あまりにも深い母の愛。

生きている間にできなかったこと。

守りきれなかった後悔。

それでも最後まで残った、「母であること」だけは、決して手放さなかった。

「もう行かなければならない」と分かっていながら、それでも振り返ってしまう想い

それを想うと、何度も胸が締め付けられるようでした。

けれど、我が子を胸に抱いているその瞬間だけは、確かに幸せも感じていたのかな。

目次